インプラント・入れ歯・ブリッジの違い
もし歯を失ってしまった場合、代替となる人工歯を入れる治療はいくつかの方法があります。インプラントは治療期間が長期にわたるものの、人工の歯根を顎の骨に埋める治療となるので、天然歯のようにしっかり噛むことができます。入れ歯は保険適用のものがあり費用を抑えることができますが、自費ではさらに多くの種類からお選びいただくことができます。ブリッジは失った歯の両隣の天然歯を削る必要がありますが、固定式なので違和感なく食べ物を噛めます。それぞれの治療方法にメリットとデメリットがありますので、患者さまのご希望に沿う形でご説明させていただきます。そのうえでご自身に合った治療方法をお選びください。
インプラントとは
インプラントは、第二の永久歯といわれるように、ご自身の歯に近い状態を取り戻すことができる治療方法のことです。歯冠だけでなく歯根まで失ってしまった歯のかわりに、人工の歯根を顎の骨に植立し、その上に人工の歯冠を取り付ける治療方法です。人工の歯根を顎の骨と結合させるので、天然の歯とほぼ同等の噛む力を取り戻すことができます。インプラント治療は治療期間が長くかかり、また費用が比較的高いといったデメリットもありますが、機能性や審美性の高さからインプラントを希望される患者さまが増えています。
インプラントのメリット・デメリット
メリット
インプラントを顎の骨に植立し、完全に固定します。
歯を失った部分のみを処置することができるため、両隣の歯を削ったり、バネをかけたりする必要がありません。
周囲の歯に合わせた上部構造の人工歯を選択することで、高い審美性が期待できます。
デメリット
トータルで3~7ヵ月程度かかります。
糖尿病や心臓病など全身の状態によっては、インプラント治療ができないことがあります。
インプラントは自費診療扱いのため、保険が適用できません。
ソケットリフト術
ソケットリフト術は、歯の生えていた部分または歯を抜いた穴からアプローチするインプラント治療の方法です。外科手術の範囲が狭いため患者さまの身体への負担が少なく、傷口が小さいため処置時間が短くなり痛みや腫れもより少ないとされています。
ロール法
抜歯したら歯肉が痩せますが、ロール法を使って、ボリュームを復活させて治療を行います。
インプラント手術の流れ
術前
術後
術前シミュレーション→手術→検証を繰り返しています。術前に何度もシミュレーションして、色んなパターンを想定して手術に臨みます。例えば、複数本のインプラントを同日に埋入する場合、患者さまの体力を考えると短時間で手術を完了することが大切になります。加えて、デジタル的なシミュレーションを行う事は、安全に手術を行なうことだけでなく、術後の検証にも役立てています。
インプラント治療の同意書について
もりした歯科医院では、インプラント手術を行う際に、患者さまに同意書をご確認・サインをいただいております。治療内容の詳細をご説明し、現在の患者さまの全身疾患の再確認や麻酔薬・使用薬剤について、ご納得をいただいてからの同意書確認となります。不安な点があれば、納得いくまでご相談ください。
抜歯即時埋入症例
もりした歯科医院での歯即時埋入症例になります。即時埋入は難易度が高いオペになります。
ブリッジとは
失った歯の両隣にある健康な歯を土台にし、連なった人工歯冠を接着剤で固定する治療方法です。ブリッジは固定式になるので、違和感なく食べ物を噛むことができます。また、取り外して装置を洗うといった手間はかかりません。治療においては、装着の際に両隣の歯を削る必要がありますが、歯肉や骨に対して外科的な処置は行ないません。
ブリッジのメリット・デメリット
メリット
ご自身の歯に被せ物をして固定するため、しっかりと強く噛むことができます。
「被せ物をする箇所の歯を削り、装着して完了」と治療工程が非常にシンプルです。
ご希望の素材によっては、健康保険外となる場合があります。
デメリット
被せ物をしっかり固定するため、両隣の歯を削る必要があります。
被せ物をした歯には、抜けた歯の分だけ大きな負担がかかります。
両隣に健康な歯がなければ治療できないため、奥歯を失った場合にはブリッジができません。
入れ歯(義歯治療・デンチャー)とは
入れ歯のメリット・デメリット
メリット
部分入れ歯の際、ブリッジのように両隣の歯を多く削ることがありません。
自分の手で取り外すことができるため、洗って清潔に保つことができます。
入れ歯はいくつかの種類があり、レジンのものは保険適用でつくることが可能です。
デメリット
天然歯ほどの強度がないため、固いものを食べづらくなります。
噛んだときの圧力が歯肉へ伝わりづらくなるため、顎の骨がやせる場合があります。
顎の下に食べカスがたまりやすくなるため、健康な歯が虫歯になる場合があります。
保険適用の入れ歯
入れ歯はさまざまな種類の材質によってつくることが可能です。その中で保険適用される入れ歯は、土台となる床(しょう)がレジン(プラスチック)、部分入れ歯の場合は、金属のクラスプ(留め具)がついたものになります。床とは、入れ歯の土台となる、歯肉に似せたピンク色の部分のことで、保険適用のレジンの場合、やや厚みが出てしまいます。
保険治療の場合のメリット
保険適用のため、費用を抑えることができます。
1ヵ月程度で入れ歯を作製できます。
定期的な調整や修理がしやすいので、メンテナンスにかかる費用を抑えられます。
保険治療の場合のデメリット
全体的に厚みがあるため、装着したときに違和感が出る場合があります。
部分入れ歯の場合、金属のクラスプが見えてしまう場合があります。
自費の入れ歯
自費の入れ歯は保険適用と異なり、さまざまな種類のものを用意できます。シリコンを使ったシリコンデンチャーは、装着時の痛みを緩和し、かつよく噛めるといった効果があります。また、床をコバルトやクロムなどの金属で作製する金属床は、保険適用より薄くすることができます。そのほか、金属を使わず審美性が高いノンクラスプデンチャーなど、患者さまのご希望に合わせて、入れ歯を提案することができます。
自費治療の場合のメリット
人工歯も床もさまざまな材質や色のものを用意できるので、患者さまのお口に合わせてお選びいただけます。
保険適用に比べて床を薄くでき、また入れ歯をしっかり固定できるため、装着したときの違和感があまりありません。
自費の入れ歯は保険適用のものと加工方法が異なるため、外れづらく、強度に優れたものを作製することができます。
自費治療の場合のデメリット
保険適用のものに比べて工程が複雑なため、完成までお時間をいただくことになります。
保険適用外のため、費用がかかります。種類などにより金額が異なるので、ご予算などがございましたらご相談ください。